積読が山脈でござる🍀

拙者、四児母オタク主婦。積読本記録と妄想感想文でござる。育児や教育の本が多いです。

『日本の英語教育』山田雄一郎著(2005年初版)

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「平易な会話」の重視や小学校への英語導入といった施策は、現実的な展望に基づいた「政策」の名に値するものなのだろうか。明治以来の日本人の英語・言語観に照らして、英語教育の根幹を問い直す。

目次

前書き

序章 転換期を迎えた英語教育

第1章 英語時代の到来

第2章 日本に言語政策はあったのか

第3章 英語と義務教育

第4章 英語教育の構造

終章 英語帝国のかなた

あとがき

 

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ひと言

明治時代にはすでに小学生に英語を教えると言う考え方があったそう(110ページ)。

私はもちろん中学校から英語を習い始めましたので、どういう経緯で小学校での英語履修が無くなったのか気になります。

楽しみに読み進めたいと思います。

 

よろしければこちらもぜひ。


 

『小学校英語のジレンマ』寺沢拓敬著(2020年初版)

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複雑な問題をはらんでいる小学校英語をめぐる今後の選択肢

  1. 専科教員(英語が専門)が教える
  2. 学級担任が教える
  3. 必修をやめる
  4. 全廃

全廃?!?!

小学校英語を無くす?!

とても気になって購入。

2020年4月から小学校で教科としての英語が始まる。

「日本人の英語力向上の切り札」との期待と、「国語に悪い影響」「英語嫌いが増える」などの根強い反対を得て生まれた「小学校英語」のゆくえは? 効果は? 導入までの経緯を検証しつつ、教員の負担やグローバル化への対応など未解決の論点を網羅する画期的な一1冊。

目次

はじめに

序章

第Ⅰ部 小学校英語、これまでの道のり

第1章【第Ⅰ期】小学校英語前史

第2章【第Ⅱ期】「実験」の時代

第3章【第Ⅲ期】模索の時代ー多様性とカオスの小学校英語

第4章【第Ⅳ期】「外国語活動」の誕生日

第5章【第Ⅴ期】教育化・早期化に向けて

 

第Ⅱ部 小学校英語の展望

第6章 現在までの改革の批判的検討

第7章 どんな効果があったのか

第8章 グローバル化小学校英語

第9章 教員の負担とさまざまな制約

おわりに

年表

参考文献

 

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ひと言

英語教育の動向、大変気になります。

私自身は中学生から筆記体とともに習いました。

(今は筆記体も習わないそうですね)

2020年現在、私の子供達は小学校にて英語を習い始めています。

今までですら詰め込みだとされてきたのに、プログラミングや英語を増やせば、理解のために使う演習時間が少なくなるのは自明です。

詰め込みはならぬ、ゆとりもならぬ。

子供達の適切教育とはなんなのでしょうか。

読み進めていきたいと思います。

 

ところで少し昔の岩波新書を購入したところ、面白い発見をしました。

昔のカバーはPP加工ですが、今はマットなPP加工になっているのですね。

光沢の違い、写真に写ってますでしょうか?

私自身はマットPP加工の手触りが好きなので嬉しいです。

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『スマホを捨てたい子どもたち 野生に学ぶ「未知の時代」の生き方』山極寿一著(2020年初版)

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そして、現代人の脳の大きさに見合った集団の人数を示す、この「150」と言う数字は、実に面白い数字であることがわかりました。文化人類学者の間でマジックナンバーと言われているのはそのためです。

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目次

第1章 スマホだけでつながると言う不安 ゴリラ学者が感じる人間社会の変化

第2章 僕はこうしてゴリラになった 生物としての人間を知るために

第3章 言葉は人間に何をもたらしたのか

ゴリラから見た人間社会

第4章 人間らしさって何? 皆で食べ、育て、踊る人間の不思議

第5章 生物としての自覚を取り戻せ AIに支配されないために

第6章 未来の社会の生き方 生活をデザインするユートピア

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著者像

山極寿一(やまぎわ・じゅいち)著

1952年東京都生まれ。霊長類学・人類学者。

2014年から京都大学総長、2017年6月から2千19年6月まで国立大学協会会長、2千17年10月から日本学術会議会長を兼任。

著作に『「サル化」する人間社会』、『京大式おもろい勉強法』、『ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」』など。

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マジックナンバー150!

『サピエンス全史』(上43頁)にも出てきて気になっていたのでつい購入。

かーちゃんである私の最近のテーマは「子供に何を教えればいいか」なのですが、そのために「人間とは何か」がとても気になっていて、人類学は興味がある分野の1つです。

『池上彰の「日本の教育」がよくわかる本』池上彰著(2014年初版)

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「教育は国家百年の大計」とも言われます。

目次

序章 「日本の教育」について誤解していませんか?

第1章 学校では教えてくれない「教育の戦後史」①  文部省VS日教組

第2章 学校では教えてくれない「教育の戦後史」②  ゆとり教育VS詰め込み教育

第3章 教科書 なぜ完成まで6年もかかるの?

第4章 通知表と偏差値 「5段階相対評価」は過去のもの?

第5章 先生 少子化なのに教員不足?

第6章 いじめと道徳 教室で何が起きているのか?

第7章 教育委員会文部科学省 いったい何をしているのか?

第8章 PTA   そもそも何のためにあるの?

第9章 給食 教育の一環だって知っていましたか?

第10章 学校制度の新潮流 「公立」も中高一貫校が人気

第11章 教育費と格差 子供たちにもっと投資を!

 

著者像

池上彰(いけがみあきら)氏

1950年生まれ。

慶應義塾大学卒業後、NHKに入社。

11年間NHK番組「週刊こどもニュース」でお父さん役を務める。

2005年にNHKを退社。

フリージャーナリストとして多方面で活躍中。

 

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1章と2章を読みました。

ゆとり教育は諸悪の根源だと思っていたので、かなりびっくりしました。

著者が講談社から上梓した『子供の教育の「大疑問」』を2014年当時の情報を盛り込み文庫化した本だそうです。

6年前の本ですが、基本的な情報はとても理解しやすく、今でもお勧めです。

 

よろしければこちらもどうぞ。

gozaru.hateblo.jp

 

5分で『思考の整理学』。外山滋比古著(1986年初版)

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ものを考えるとはどういうことか、を考えようとする人にとって、他山の小石くらいに見ていただくことができれば幸いである。

 

『思考の整理学』読了、面白かったです。

内容が5分で思い出せるように、自分用にまとめてみました。

 

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グライダー

勉強に受け身の学生たち、詰め込み教育の結果ではないだろうか。

不幸な逆説

学生は、教えないほど学びたい気持ちが強くなる。

朝飯前

朝1番と食事前の脳は生産性が抜群である。

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醱酵

気になる事柄にちょっとしたアイディアを加えて「寝させる」と自分の研究テーマになる。

寝させる

思考の整理としては時間を置くほど大切な事は無い。

カクテル

イデアはいくつか出してカクテルのように混ぜ合わせ編集しよう。

エディターシップ

編集の仕方次第でより良くなる。

触媒

良いものを作りたければ、個性を没せよ。

アナロジー

謎を解くときは、似たものを見つけてみよう。

その似たものの答えが、謎の答えでもあるかもしれない。

(例)文章における非連続の連続≒映画フィルム→どちらも残像。

セレンディピティ

テーマについて考えていると、予想もしていなかったものを掘り出すことがある。それをセレンディピティーと言う。

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情報の“メタ”化

抽象化し編集することでより良くなる。

スクラップ

情報収集、スクラップの方法。

カード・ノート

情報収集、カードノートの方法。

つんどく法

つんどく法で論文を書く方法。

手帖とノート

イデアをメモする手帖と、それを整理して書き写すノートで思考を深める。

メタ・ノート

ノートをさらに「メタ・ノート」に書き写し思考を深める。

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整理

新しいことを考えるには捨てることが必要。

忘却のさまざま

睡眠、やけ酒、お茶、おやつ、他のことをする、本を読む、汗を流す、散歩。

これらが忘れるのに良い。

時の試練

セルフ古典化。

古典が時間の力でふるいにかけられるように、自分のアイデアも自分の中で時間の力で洗練させる。

捨てる

収穫逓減(しゅうかくていげん)の法則。

覚えていられる量には限界がある。

とにかく書いてみる

とにかく書いてみよう。

テーマと題名

題名は、テーマの究極のメタ化。

ホメテヤラネバ

鋭い批評など不要、全力で俺を褒めそやせ!

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しゃべる

歩いてしゃべって思索をふくらませよう。

談笑の間

肯定的に話を聞いてくれる他分野の友人と語り合うのが1番はかどる。

垣根を越えて

似たものは、似たものに影響することが難しい。垣根を越えて他分野と交流しよう。

三上・三中

いい考えが浮かぶには。

欧陽修いわく、三上と三多。 

三上‥‥馬の上、枕の上、トイレの上。

三多‥‥看多(多くの本を読むこと)、做多(多く文を作ること)、商量多(多く工夫し、推敲すること)

外山先生いわく、

三中…無我夢中、散歩中、入浴中。

知恵

断片的な知識も、関連あるもの同士まとめておくといい。

ことわざの世界

自分だけのことわざを作って、カード袋(情報収集したものを整理して入れておく袋)のタイトルにしよう。

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第一時的現実

現実から離れすぎない思考をしよう。

既知と未知

未知を既知にしよう。

外国語の古典がオススメ。

拡散と収斂

詰め込み教育でトレーニングされるのは収歛(しゅうれん)的思考だけど、思うままに発想していく拡散的思考もいいよ。

コンピューター

詰め込み教育だけだったらグライダー人間になるし、コンピューターに仕事を奪われる。

学生よ、創造的であれ。

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著者について

外山滋比古(とやましげひこ)

1923〜2020年

英文学者。元お茶の水女子大学名誉教授。

 

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久しぶりに国語の問題文みたいに線を引いて読みました。

個人的に面白かったところは以下の3つです。

  • エリオット、スコット、エプソンウォルポールなど知らなかった英文学者の名前が知れた。
  • この時代「叩けば伸びる」と厳しい批評が良いとされていた気がするのだけど、外山先生は「とにかく褒めろ」と一貫して主張。好き。
  • セレンディピティという言葉が可愛い。

セレンディピティ
せれんでぃぴてぃserendipity
偶然に思いがけない幸運な発見をする能力,またはその能力を行使すること.この能力により,失敗した実験の結果から予想外の有用なデータや知識を得たり,検索結果を点検しているときにノイズの中から偶然に当初の目的とは異なる価値のある情報を発見したりできる.ただし,すべてが偶然や幸運に依存するのではなく,有用なデータ,情報に気付くための基盤となる潜在的な知識や集中力,観察力,洞察力を要する.英国の小説家,ウォルポール(Horace Walpole 1717-1797)がスリランカの昔話『セイロン(Serendip)の三王子』(Three Princes of Serendip)にちなんで造った語といわれる.

図書館情報学用語辞典 第4版)

 

よろしければこちらもどうぞ。

gozaru.hateblo.jp

  

https://www.photo-ac.com/profile/1909656:まこりげさんによるhttps://www.photo-ac.com/:写真ACからの写真をお借りしました。 

 

『頭の良い子には中学受験をさせるな 「灘」を超える、東大合格メソッド』稲荷誠著(2014年初版)

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その中学受験は本当に必要ですか?

 

目次の要約

中学受験と言う大きな負担を子供に強いることなく、小学生らしい生活を満喫しながら、東大、京大を狙える、筆者が生み出した「稲荷塾方式」の仕組みを紹介する本です。

第1章では算数・数学教育の理想的なカリキュラムを生み出した過程とその説明が描かれています。

第二章は国語、英語教育についてで、巻末資料として稲荷塾式を家庭で試す資料が付されています。

 

筆者、稲荷誠氏について。

高校生の時に将棋のプロを目指して奨励会に在籍。

関西学院大学理学部で漁師力学を学ぶ。

京都大学理学部で数学を学ぶ。

塾講師、予備校講師を経て、現在稲荷宿代表。

著作「驚きの東大合格率 小さな数学塾のヒミツ」

 

灘校を超えるメソッド

灘校は関西で1番の東大京大合格率を誇る中高一貫の男子校です。

それを超えるとは一体どのようなメソッドなのか。

気になって取り寄せました。


こちらの本によると、灘校の教育の強みは演習の多さだそうです。

まず、中学校全数学を中学1年生で終えます。

そして中学2年生で数学ⅠA(高1相当)

中学校3年生で数ⅡB(高2)を終わらせます。

高校1年生ではそれまでの範囲の演習。

高校2年生では数Ⅲ(高3)

高校3年生ではまた演習となります。


稲荷塾方式では、

小学校6年間で中学数学を終わらせます。

中学校1年生で数ⅠA、

中学校2年生で数ⅡB、

中学校3年生で数Ⅲを学習します。

その後高校生1〜3年間はそれまでの演習に全て当てると言うカリキュラムになっています。


確かにこれは小学校から高校3年生までの6年間を一環して考えなければできない学習カリキュラムです。


(今は小中高一貫の私立進学校だとこのようにされてるところもあるのかもしれません。)

 

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ひと言

ふと思うのが、これから子供たちの勉強はどんどんどんどん難しくなっていくのかなと言うことです。

日進月歩の科学技術に合わせて子供全体の学力を上げる場合、習うべき内容はどんどん多く濃くなっていくはずです。

そこをある程度までで留めておくのか、それとも科学技術の進むまま全体の学習の量も増やしていくのか。

他人からの記憶のコピー&ペーストが可能になるのか。

ガンダムニュータイプ的に人間が進化し、より学習が速くなるのか。

どちらにしても、子供たちの将来だけでなく今現在の幸せも考えていかなければと思います。

 

今日も暑くなりそうです。

塩分と水分!塩分と水分ですよー!

『いちばん得する中学受験』辻義夫、西村則康著(2018年初版)

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「宿題は親が取捨選択してあげるのが基本」と覚えておくと良いと思います。

 

要約

本書における「得する中学受験」とは「お子さんが1番頑張れる方法で、無理なく中学受験を終えられる」ことです。

小さなお子さんの能力やモチベーションそして家計との折り合いまで言及しています。


第1章は中学受験は良い選択なのかどうか考察しています。

小学生にあんなに難しい勉強させるのはかわいそう、貴重な時間を塾通いで無駄にはしないのか、圧倒的にお金がかかる、意欲がないのに勉強させるのか、等。


第二章は中学受験の今について。

中学受験は30年前とは様変わりしていること、塾なしで乗り切るのは本当に難しいこと、受験に合格することが本当の目的ではないこと。


第3章は、1番得する宿選びとして、各家庭にフィットする宿を選ぶ方法が書かれています。

集団塾はどうなのか、地元の個人塾との違いは、どこに通うのが結局安く上がるのか。


第4章は1番得する勉強法として家庭学習のコツ。

 

第5章は1番得する学校選びとして、現在の受験が必要な私立高公立校の情報とその子供にフィットした選び方が。

 

第6章は塾に通い始めるとされる小学3年生までに家庭でしたいことが書かれています。

 

作者人物像

辻義夫氏

中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1副代表。中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員。

1968年、兵庫県生まれ。1988年から兵庫県を本拠地とする学習塾での指導を開始。1997年から最難関中学合格者は毎年数多く輩出している授業と教材のエッセンスを吸収するため、浜学園の教師となり、「塾の使い方を見つめなおす機会を得る

2000年、生徒1人を徹底的に伸ばす指導を行う中学受験専門のプロ個別指導教室SS版設立に尽力し、開設当初から大阪谷町教室にて最難関中学受験生の指導を担当。2012年より活動拠点を東京に移し、様々なメディアで情報を発信している。

著作

「中学受験 見るだけでわかる理科の壺」

「頭が良くなる田吹謎解き田吹理科ドリル」

「楽しく覚えて頭に残る 謎解き 理科用語」

「中学受験スラスラ解ける魔法技 理科・計算問題」

 


西村則康

35年以上、難関中学・中学受験指導一筋のカリスマ家庭教師。日本初の「塾ソムリエ」としても活躍中。これまで改正中、麻布中、武蔵中、桜蔭中、女子学院中、双葉中、灘中、洛南高校附属中、東大寺学園中などの最難関校に2500人以上を合格させてきた実績を持つ。

テレビや教育雑誌、新聞でも積極的に情報発信を行っており、保護者の悩みに誠実に回答する姿勢から熱い支持を集めている。また、中学受験情報局「かしこい塾の使い方」は 16万人以上のお母さんが参考にしている。

著書

「中学受験は親が9割」

「中学受験偏差値20アップを目指す逆転合格術」

 

 

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ひと言

中学受験は子供にとって良い選択なのかウダウダ悩んでいた時に買った本の1冊です。

当時本屋に行って本を選ぶ時間がなかったので、アマゾンのレビューが多いものから順に買って読んでいました。

このコロナ禍の中で中学受験がどのように変化していくかはまだわかりませんが、まずは健康と安全です。

どうぞ皆さまご自愛くださいませ。