読書にござる

拙者は語猿、忍者でござる。本を読むのが好きでござる。

才能は環境?学ぶ意志?遺伝?storm last nightの巻

 

津田梅子殿の名言『環境より学ぶ意志があればいい』は学ぶ意志を育てるには適切な環境が必要であるという意味だと思うが最後遺伝に全て持ってかれたという話でござる。

 

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津田梅子殿

 

 

 

津田梅子殿は2019年5月に五千円札の肖像に選ばれた偉人でござる。

 

この御仁、環境より学ぶ意志があればいいと言いつつ環境である学校作ってるでござる。

出オチで申し訳ない、もうこれこそが彼女の主張を全て表現しているでござる。

『環境より学ぶ意志があればいい』は学ぶ意志を育てるには適切な環境が必要であるという意味に他ならないと思うでござる。

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ところで拙者ここまで書いたところで才能は大部分遺伝で決まるとゆー凄まじい本を読んでしまったでござるよ。

橘玲著『言ってはいけないでござる。

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ベストセラーだったので手に取ったが、どのネタもなかなかにショッキング。

何がショッキングって、相当刺激的な内容がどうやらトンデモな嘘ではなく科学的に根拠があるらしいというところである。

 

安藤寿康著『日本人の9割が知らない遺伝の真実』は遺伝の研究者ご本人が書いているのでより詳しい。

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遺伝といっても親の素質を受け継ぐとかではなくて、シャッフルされた個人の遺伝子の組み合わせで決まるというもの。

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才能には環境も学ぶ意志もそんなの関係ネェ…

 

 

拙者の数学の成績が2ばっかりでござった。

(しかも相対評価じゃなくて絶対評価

産まれた時から成績がある程度決まっていたなら、頑張った定期試験勉強は何だったのでござろうな。

しかし努力不足と言われるより何となくホッとする拙者でござった。

自分のしてきた事が自分の望んだ結果をもたらさなかったとしても自分の尽くした最良であったとしたら、反省しなくなるなどの欠点をカバーしてもおつりが来る最高の自己肯定である。

カルヴァン派の予定説を信じるプロテスタントが粛々と勤勉に働くのはこの安心感が原因かもなぁと思うに至る。

 

storm last night(津田梅子の日記の最後の言葉)嵐は昨夜終わったのだ。

もう拙者は数学の赤点を夢に見なくても良いのでござるよ。ニンニン。

 

 

宗教改革のルターは反ユダヤ主義者だったの巻

 

今日のビックリでござる。

 

宗教改革マルティン・ルターが『ユダヤ人と彼らの嘘について』という反ユダヤ主義(反セム主義)の論文を上梓していたというもの。

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ルター殿(いらすとや様)

 

腐敗したカトリック教会を刷新する清廉潔白なイメージがあったのでビックリでござるよ。

 

茂木誠著『ニュースの“なぜ?”は世界史に学べ!2』で知ったポグロムという言葉をウィキペディアで調べて知り申した。

 

1 9世紀の終わり頃は 、まだイスラエルの建国前で 、ユダヤ人の多くはロシアに住んでいました 。ロシアでは 、たびたびすさまじいユダヤ人の迫害が行われました 。この集団的迫害行為を 「ポグロム 」といいます 。虐殺をはじめ 、略奪 、破壊 、差別など 、のちのナチスと同じような迫害を行っていました 。そのため 、ユダヤ人は虐殺を逃れて 、遠くアメリカまでやってきたのです 。

茂木誠著『ニュースの“なぜ?”は世界史に学べ!2』より

 

ヤバイ、知らない事ばっかりでござる。

勉強になったでござる…

『おもろうてやがて悲し』の巻

 

“おもろうてやがてかなし” の意味を凄まじく勘違いしてた話でござるよ。

 

『おもろうてやがて悲しき鵜飼かな』 は俳聖、松尾芭蕉の作でござる。

 

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松尾芭蕉殿

 

爆笑しながら見ていたら、ラストは涙ウルウル展開。なんて面白い作品なんだ〜すげぇ〜!

 

という物語論のことだと思っていたでござる。

能とかでさ、遊びやせんとや生まれけんの続きとかにありそうでござろう?風姿花伝

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このたび他のブログ記事の為にググったところ、なんと松尾芭蕉殿が鵜飼に諸行無常を感じてたお話だった事がわかったでござる。

 

マジか…めっちゃ間違えて使っていたでござるよ…。

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『春にして君を離れ』の巻

 

主婦の御方には耳が痛い?いやいやイタ気持ちいいやも知れませぬ。

アガサ・クリスティ著『春にして君を離れ』の感想でござる。

 

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拙者ミステリはトリックが難しくて読めないが(探偵ものは探偵と助手の関係性だけ味わう←ひどい)これは一気読みしたでござる。

 

なんとAmazonレビュー118件!(2019年5月現在)。

名探偵エルキュール・ポアロの『そして誰もいなくなった』が同118件。

アクロイド殺し』が90件。

オリエント急行の殺人』が48件。

なので彼女の代表作と言っても過言ではないが、他と比べてやや知名度は低いような。

 

1944年に出版され、発表時はアガサ・クリスティではなくメアリ・ウェストマコットという別名義だったからかもしれぬ。

 

 

あらすじ
イギリス人主婦のジェーン・スカダモアは、弁護士である夫のロドリーと独立し結婚した3人の子供達との関係も良好。順風満帆な人生を送っていた。

体調を崩した娘の見舞いへバクダッドへ行った帰り、ブランチ・ハガードという女学院時代の友人と偶然に出会う。ひどく老けて見える同窓生を見て自分の充実した人生を満足に思うジェーンは、しかし彼女の言葉が気になって仕方がない。自分は何かとても大切な事に気付かずここまで来てしまったのではあるまいか。

帰りの汽車が大幅に遅れ、砂漠の小さな町に閉じ込められたジェーンはこれまでの人生を一つずつ省みる事になるのだった。

 

 

 

(下記ネタバレでござる!)

 

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いわゆる“信頼できない語り手”が語る叙述トリックもので、自分が過去、夫と子供達の人生を手酷く踏みにじってきた事、夫が不倫というか、妻の自分とは別の運命の女性を見出していた事にジェーンは気がつくでござる。

 

後悔したジェーンはイギリスに帰って夫に懺悔しようとするが、途中で会った上流貴族の公爵夫人の影響か、何事もなかった様に以前の日常に戻る…というストーリー。

 

ええええそれでいいのでござるかジェーーーン?!

 

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調べると、どうやら博識の方にはタイトルで不倫の話だと分かるようでござる。

シェークスピアの『ソネット集』という詩集からタイトル『春にして君を離れ(Absent in the spring)』は取られていて、そのソネット集は不貞の話でござった。

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訳が結構良い気がするんでござる。

いや拙者言うほど翻訳本読んでないのでござるが、分かりやすいし何よりタイトルめちゃカッコいい。

灼熱と氷点下の広大な砂漠にたたずむ、罪に気付かぬ孤独な貴婦人。

絵になる。良き。

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春にして君を離れ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)   アガサ・クリスティー https://www.amazon.co.jp/dp/4151300813/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_q8J3CbEJH8FNG

オーロラから音が⁈ アンデルセンの雪の女王の巻

 

オーロラからどうやら音が出るらしいという話でござる。

 

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下は青空文庫の『雪の女王 七つのお話でできているおとぎ物語』ハンス・クリスティアンアンデルセン著 楠山正雄訳の引用でござる。

 

https://www.aozora.gr.jp/cards/000019/files/42387_20568.html

 

 

とたんに、となかいはかけだしました。木の根、岩かどをとびこえ、大きな森をつきぬけて、沼地や草原もかまわず、いっしょうけんめい、まっしぐらにはしっていきました。おおかみがほえ、わたりがらすがこえをたてました。ひゅッ、ひゅッ、空で、なにか音がしました。それはまるで花火があがったように。
「あれがわたしのなつかしい北極オーロラ光です。」
と、となかいがいいました。「ごらんなさい。なんてよく、かがやいているでしょう。」
 それからとなかいは、ひるも夜も、前よりももっとはやくはしって行きました。

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雪の女王の城へゲルダがトナカイに乗って向かう所でござるが、オーロラから音がしてるでござろう?

 

ホンマかいな?とググったら音がするという話は無くもない。

 

ライネ氏の研究チームによると、この逆転層によってできた暖かい上層がフタのような役割を果たし、負電荷を帯びた大気を下の層に閉じ込める。そこへ磁気嵐がやってくると、このフタが壊れて放電が起こり、奇妙な音を立てるという。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/062900240/?ST=m_news

 

 

何となくロマン感じるでござる。

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読みたくても難しくて読めないの巻 〜『デカルト』アラン著〜

良い本でも読めぬものは読めぬ、という話でござる。

 

 

拙者最近哲学というものに興味があるでござる。

なのでアラン著『デカルトを読んでみたかったでござるよ。

フランス人のアラン殿は『幸福論』で有名でござる。

そのアラン殿は『方法序説』のデカルト殿の研究者にござった。

デカルト殿は「我思うゆえに我あり」の人でござる。

 

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いらすとや様、デカルトの似顔絵があるの凄すぎるでござる。

 

では、後年「恥ずかしいー‼︎」と悶える事を覚悟で初学者なりのそれぞれの印象を晒すのじゃ。

 

アラン殿はオシャレなフランス人が明るく「人間ほっといたら浸って不幸ぶるんだし、気合い入れてご機嫌幸せでいようゼ」って感じでござる。

 

デカルト殿はめちゃ真面目ないい人が「疑わしい事ばかりだ、真実を見極めよう。しかし神は除く。神は絶対いるったらいる」ってイメージでござる。

 

…すまぬ、アホ過ぎてすまぬ。

 

 

というわけでアラン殿がどんな風にデカルト殿について語るのか知りたかったでござるが…めちゃんこ難しかったでござる。

哲学面白いなーと思っても漫画で入門みたいな物を読むべきでござるな。

 

と言うわけでこう言う本は…

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…本棚にバックでござる。

 

何で読書ブログ書いてんだ感満載でござるな(滝汗)。

しかしカッコ悪いが時間も無い。

将来の自分に託すでござる。

また戻ってきて読みたいでござる。。。

 

頼んだでござるよ、将来の賢い拙者…‼︎‼︎

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『おちゃのじかんにきたとら』はナチス?の巻

ほんわかお茶の時間にやって来たトラ、実はヒトラーナチスの暗喩なのかも知れないという拙者の深読みについて書いたでござる。

 

 

ほのぼのだけどどこか怖い『おちゃのじかんにきたとら』

ジュディス・カー作、晴海耕平訳、童話館出版の絵本でござるよ。

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拙者が最初に読んだのは小児科の絵本コーナーでござった。

少し痛んでいて古く、海外の翻訳絵本で、透視法が使われた技巧的ながらユニークで温かみのある絵柄。きっと名作であろうと拙者は手に取ったのでござる。

 

 

 
【あらすじ】

 

ある日父親が仕事に出かけた後、ソフィーと母親がお茶を楽しんでいると、突然大きなトラがやって来た。

丁寧な態度のトラはしかし、お茶やお菓子のみならず、家中の全ての飲食料を食べ尽くして帰ってしまう。作りかけの父親の夕飯、冷蔵庫の中身、保存食も全て。水道水も飲み切られ、ソフィーはお風呂に入れない。

途方に暮れる中、父親が帰宅。外食に出かけて事なきを得る。

母娘は次の日に食料を買い出しに出かけ、ついでにタイガーフードというトラ用の缶詰も購入するが、それ以後トラは二度と再びやってこなかったというお話。

 

 

 

【恐怖ポイント① トラの目が怖い】

 

このトラ、他の登場人物である母親、ソフィー、父親と違って大変目が鋭いでござる。

体もソフィーの3倍近く大きいし、前足も顔くらいの大きさにござる。

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ジロリ。

 

 

【恐怖ポイント② 日常を脅かす暴力の象徴】


拙者が1番ゾッとしたのは、ソフィーがお風呂に入れなかったという一見ほのぼのしたページでござる。

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日本ならその日の水がなくなってしまうと言う事がないでござるが、当時絵本が出版された英国ではその日1日に使える水の量は決められてたのかもしれぬでござる。

 

平穏な育児は、保護者の精神的な安らぎと彼らの属する社会の持続的安定を示すように思うでござる。

お風呂に入れないということは、平穏な日常が家の中も外も破壊された比喩に思えたでござる。

この母娘は鋭い爪と牙を持つ猛獣に食べられかけた、それと共に、もう外の世界も真っ当な育児が出来ぬ社会と化してしまったように感じたのでござる。

 

連想したのはあれでござる。8月6日や8月25日に小学校で見た戦争アニメの、赤ちゃんが空腹で泣いているのに栄養失調でお乳が出ない母親でござる。

 

食べ物や飲み物が無くなるところは、よくある荒唐無稽な絵本だと思って読んでいたのでござるが、ソフィーがお風呂に入れなかったことに(ややこれは何かあるぞ?)と不穏と共に強い興味を覚えたのでござった。

 

 

 

【ジュディス・カーはナチスから逃れたドイツ人】

 

こちらは絵本の作者紹介にござる。

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ことバンクによると…

生年月日1923
出生地ドイツ ベルリン
経歴1933年ナチスの圧迫を逃れ演劇評論家であった父とドイツを離れる。スイス、フランスを経て、’36年渡英。この頃の経験は小説「ヒットラーにぬすまれたももいろうさぎ」にまとめられた。ロンドンの美術学校に学び、BBCに勤めている時に脚本家のナイジェル・ニールと知り合い、’54年に結婚。女優となる2人の娘、小説家となる息子をもうけた。’70年忘れん坊で気がよく、とても愉快なモグという猫を主人公とした絵本「わすれんぼうのねこ モグ」で絵本作家としてデビュー、人気を集めシリーズとなった。他の著書に「もう一羽のがちょう」「おちゃのじかんにきたとら」「いつもふたりで」などがある。
https://kotobank.jp/word/%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%20%E3%82%AB%E3%83%BC-1679959

 

ああ、あの不穏の正体はナチスであったのかと合点が行き申した。


ジュディス・カーの生い立ちを鑑みると、丁寧な様子でお茶の時間にやって来るトラはナチスの暗喩もしくは戦争の影以外に読めないでござる。

父親の提案で外食に行くのも、10歳の時にお父さんとドイツを離れているのと類似点が多くござる。

きっと普段は優しい態度で子供達に人気があったのかも知れない事をトラにやたらと懐くソフィーを見て思うでござるよ。

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怪しげな人影とトラに似た猫

 

最後にまた謎を呼ぶのが、外食に行くシーンで出てきた怪しげな人影とトラに似た猫でござる。幸せそうなソフィー家族と反対を向く人影。そしてトラの様な猫…。

 

このお話は他にも色々深読みができるでござる。

 

  • 育児に一生懸命で夕食が作れなかった言い訳を夫にする妻。

 

  • 母親が精神的な病気で、泥棒に入られたのをトラに食い散らかされたと思い込んでいる。

 

  • このお話自体、略奪現場にいたソフィーの心にトラウマを残さぬ様、安全に脱出できたのち(外食に出たこと。トラになったのは、偶然トラ模様の猫が通り掛かったから)父母が「あれはお腹を空かせた大きなトラがね…」とソフィーの記憶を上塗りしようとして話したエピソードである。

 

こんな無粋な邪推はせずにそのまま荒唐無稽・不条理系の絵本として楽しむのもアリでござる。拙者かなり楽しめたでござるよ。

 

これにて御免。

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