積読が山脈でござる🍀

拙者、四児母オタク主婦。積読本記録と妄想感想文でござる。育児や教育の本が多いです。

5分で『思考の整理学』。外山滋比古著(1986年初版)

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ものを考えるとはどういうことか、を考えようとする人にとって、他山の小石くらいに見ていただくことができれば幸いである。

 

『思考の整理学』読了、面白かったです。

内容が5分で思い出せるように、自分用にまとめてみました。

 

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グライダー

勉強に受け身の学生たち、詰め込み教育の結果ではないだろうか。

不幸な逆説

学生は、教えないほど学びたい気持ちが強くなる。

朝飯前

朝1番と食事前の脳は生産性が抜群である。

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醱酵

気になる事柄にちょっとしたアイディアを加えて「寝させる」と自分の研究テーマになる。

寝させる

思考の整理としては時間を置くほど大切な事は無い。

カクテル

イデアはいくつか出してカクテルのように混ぜ合わせ編集しよう。

エディターシップ

編集の仕方次第でより良くなる。

触媒

良いものを作りたければ、個性を没せよ。

アナロジー

謎を解くときは、似たものを見つけてみよう。

その似たものの答えが、謎の答えでもあるかもしれない。

(例)文章における非連続の連続≒映画フィルム→どちらも残像。

セレンディピティ

テーマについて考えていると、予想もしていなかったものを掘り出すことがある。それをセレンディピティーと言う。

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情報の“メタ”化

抽象化し編集することでより良くなる。

スクラップ

情報収集、スクラップの方法。

カード・ノート

情報収集、カードノートの方法。

つんどく法

つんどく法で論文を書く方法。

手帖とノート

イデアをメモする手帖と、それを整理して書き写すノートで思考を深める。

メタ・ノート

ノートをさらに「メタ・ノート」に書き写し思考を深める。

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整理

新しいことを考えるには捨てることが必要。

忘却のさまざま

睡眠、やけ酒、お茶、おやつ、他のことをする、本を読む、汗を流す、散歩。

これらが忘れるのに良い。

時の試練

セルフ古典化。

古典が時間の力でふるいにかけられるように、自分のアイデアも自分の中で時間の力で洗練させる。

捨てる

収穫逓減(しゅうかくていげん)の法則。

覚えていられる量には限界がある。

とにかく書いてみる

とにかく書いてみよう。

テーマと題名

題名は、テーマの究極のメタ化。

ホメテヤラネバ

鋭い批評など不要、全力で俺を褒めそやせ!

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しゃべる

歩いてしゃべって思索をふくらませよう。

談笑の間

肯定的に話を聞いてくれる他分野の友人と語り合うのが1番はかどる。

垣根を越えて

似たものは、似たものに影響することが難しい。垣根を越えて他分野と交流しよう。

三上・三中

いい考えが浮かぶには。

欧陽修いわく、三上と三多。 

三上‥‥馬の上、枕の上、トイレの上。

三多‥‥看多(多くの本を読むこと)、做多(多く文を作ること)、商量多(多く工夫し、推敲すること)

外山先生いわく、

三中…無我夢中、散歩中、入浴中。

知恵

断片的な知識も、関連あるもの同士まとめておくといい。

ことわざの世界

自分だけのことわざを作って、カード袋(情報収集したものを整理して入れておく袋)のタイトルにしよう。

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第一時的現実

現実から離れすぎない思考をしよう。

既知と未知

未知を既知にしよう。

外国語の古典がオススメ。

拡散と収斂

詰め込み教育でトレーニングされるのは収歛(しゅうれん)的思考だけど、思うままに発想していく拡散的思考もいいよ。

コンピューター

詰め込み教育だけだったらグライダー人間になるし、コンピューターに仕事を奪われる。

学生よ、創造的であれ。

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著者について

外山滋比古(とやましげひこ)

1923〜2020年

英文学者。元お茶の水女子大学名誉教授。

 

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久しぶりに国語の問題文みたいに線を引いて読みました。

個人的に面白かったところは以下の3つです。

  • エリオット、スコット、エプソンウォルポールなど知らなかった英文学者の名前が知れた。
  • この時代「叩けば伸びる」と厳しい批評が良いとされていた気がするのだけど、外山先生は「とにかく褒めろ」と一貫して主張。好き。
  • セレンディピティという言葉が可愛い。

セレンディピティ
せれんでぃぴてぃserendipity
偶然に思いがけない幸運な発見をする能力,またはその能力を行使すること.この能力により,失敗した実験の結果から予想外の有用なデータや知識を得たり,検索結果を点検しているときにノイズの中から偶然に当初の目的とは異なる価値のある情報を発見したりできる.ただし,すべてが偶然や幸運に依存するのではなく,有用なデータ,情報に気付くための基盤となる潜在的な知識や集中力,観察力,洞察力を要する.英国の小説家,ウォルポール(Horace Walpole 1717-1797)がスリランカの昔話『セイロン(Serendip)の三王子』(Three Princes of Serendip)にちなんで造った語といわれる.

図書館情報学用語辞典 第4版)

 

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