リバティプリントの魔力
あれは魔物です…美の魔物なのです…
リバティプリントは、イギリスのリバティ社(1875年創業)がデザインする薄い綿の布です。
ただし、ただの布ではありません。
手芸好きを沼に引きずり込む、魅惑的な布なのです。
昨晩、壊れた小物の補修にリバティプリントを使っていて、改めて深い世界観に感嘆しました。
「めちゃんこ綺麗で可愛いくてすごい〜」
という私の貧弱語彙で魅力は伝わらないので、頼もしい書籍を我が本棚から引っ張り出して来た次第です。
『リバティ好きの小さな幸せ』
トランテアン 玉村理恵子著(2017年初版)
京都の端の小さな手芸屋さん「トランテアン」。
マニアに知らない者はたぶんいない、1979年創業の老舗です。
リバティの魅力を知り尽くしたオーナー玉村さんが楽しみ方をご紹介くださいます。
『リバティの詩(うた)』
中村一女子(なかむら ひめこ)著(1994年初版)
タナローンと呼ばれる薄い生地を染めて作られた手触りの良いリバティプリントは、その発色の美しさと相まってとても良い手芸の素材です。
こちらは中村さんのキルト作品の写真集となります。
柄布を並べてグラデーションが作れるなんて…費やしたであろう膨大な作業量と研ぎ澄まされた色彩感覚にため息がもれます。
『10×10cm(テン・バイ・テン)のリバティプリント クラフト&ソーイング』
グラフィック社(2013年初版)
どんなに小さな端切れでも、リバティプリントはそれとわかります。
こちらの書籍は、10センチ× 10センチの小さな端切れで作ることができる小物のアイディアを余すことなく紹介してくれています。
コレクションのデザインを紹介してくださっているのも嬉しい。
こちらが昨日修理していたひざ掛けです。
お気に入りのひざ掛けに空いた穴をリバティプリント布を細く裂いた紐でかぎ針編みを施し閉じました。うんうん、悪くないぞ。 pic.twitter.com/MDkNPnHAut
— かーちゃん🍀@読書でござる (@dome_ke) 2020年8月9日
こちらは今年86になる私の祖母の作った毛糸の椅子カバーです。
経年劣化で糸が切れてしまったのでリバティプリントで補修しました。
椅子カバーの補修方法は1冊目の『リバティ好きの小さな幸せ』に紹介されていたものを参考にしています。
リバティプリントの魅力
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使っても使っても使える。
90×10センチで350円ほどする布としては高めの値段にも関わらず、あまりの美しさに新しいデザインが出るごとに買い集めてしまいます。
積ん読ならぬ、積み布。
しかもはっきりと認識できるデザインのため、どれだけ小さくなっても手芸作品のアクセントとして使用が可能です。
カゴに結んだだけですが、この存在感たるや。
- 多少雑な仕上がりでも手芸の出来が良く見える。
自作の縫いぐるみです。
どこかに小さくリバティプリントを使うだけでもワンランクアップして見え、気にいっております。
ちなみにぬいぐるみの着ている服はサイズアウトした子供たちのベビー服です。
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デザインに名前がある
デザインに名前が付いているのもリバティープリントの魅力の1つだと思います。
左から「ワンダーランド」「カペル」「ポピー&デイジー」が2枚、「マミー」です。
金属のカゴに結んであったオレンジ色のバラの花は「フェリシテ」。
たくさん種類があるので、自分や家族の名前や好きなものに関係したデザイン名もきっとどこかにあると思います。
こんっっなに使い古してボロボロになっても、なにかに使えると思って残してしまうのですよね。
しかも今回、祖母の椅子カバー補修に使えましたし。
恐ろしや、リバティプリントの魅力。