ほめて育てるだけではいけないのか
たまに育児の本を読んでいてぶつかるのが『ほめて育てるだけではいけない』という言葉です。
ほめて育てるのがダメなら叱ったり怒ったりした方がいいということでしょうか。
いいえ。
ただほめるだけでは思ったような効果が現れない、と言うことだと思います。
私が出会った本の中から褒め方のヒントを紹介していきます。
『世界に1つだけの子育ての教科書』
〜ほめることだけで子供を良くしようと考えない〜
『世界に1つだけの子育ての教科書 子育ての失敗を100%取り戻す方法』 - 読書でござる🍀
この本のほめ方についての章での目標は、ルールや約束を守り積極的に勉強をできるようになることです。
その場合…
①ルールや約束を守ったり積極的に勉強を出来た時はそれを言語化して褒めない
方が効果が高いそうです。
お母さんが帰ってくるまでに宿題を終わらせられた子がいるとします。
その時「お母さんが帰ってくるまでに宿題を終わらせてえらい」とほめると、お母さんが帰ってくるまでに宿題を終わらせる事しかしなくなります。
この褒め言葉によって子供が自分で進んで勉強をするようにはならないのです。
②ルールや約束を守ったり積極的に勉強を出来ない時は、ほめたり叱ったり等の評価の声かけは不要であり、出来る様にスモールステップに分けて習慣化をサポートする方が良い。
やり方は、その子が可能なくらいまで課題を小さくします。
3分したら戻るからそれまでに1問解くなどです。
それを実行させて、何回もそれを繰り返し、少しずつレベルアップしていく、というもの。
①も②も、「出来たね」と事実をにこやかに伝えるくらいで、褒める叱るは必要なさそうです。
『「学力」の経済学』
〜能力を褒める事は、子供のやる気を蝕む〜
マイオールタイム育児本ベストに輝くこちら。
図書館みたいな透明なブックカバーまでかけました(笑)
こちらでは「ほめ育て」についてこうあります。
この結果、自尊心を高めるメッセージを受け取ったグループの学生は、受け取らなかったグループの学生よりも、期末試験の成績が統計的に有意に低かったことが示されました。この研究は、学生の自尊心を高めるような介入は、学生たちの成績を決して良くする事は無いことを示しています。またこのような介入がすべての学生に悪影響だったわけではなく、特にもともと学力の低い学生に大きな負の効果をもたらしたと言うことも明らかになっています。つまり悪い成績を取った学生に対して自尊心を高めるような介入を行うと、悪い成績を取ったと言う事実を反省する機会を奪うだけでなく、自分に対して根拠のない自信を持った人にしてしまうのです。
むやみにほめると実力の伴わないナルシストになっちゃうとのこと。
ではどう接するべきなのか。
子供を褒めるときには、「あなたはやればできるのよ」ではなく、「今日は1時間も勉強できたんだね」「今月は遅刻や欠席が1度もなかったね」と具体的に子供が達成した内容を上げることが重要です。そうすることによって、さらなる努力を引き出し、難しいことでも挑戦しようとする子供に育つというのがこの研究から得られた知見です。
もともと備わった能力ではなく努力した事を褒めることで成績は伸び、成績という結果が出ることで自尊心も高まると考えられています。
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ほめることだけで子供を良くしようと考えない
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能力をほめることは子供のやる気をむしばむ